
自動化ツール「RPA」とは?実際の導入検討に役立つ知識を大公開
RPAとは ?
RPAは、ロボティクスプロセスオートメーションの略であり、ロボットによる業務自動化を指します。RPAツールと呼ばれるソフトウェアを用いて、パソコン上での繰り返し作業を自動化する技術であり、手順が決まっていれば自動で決めた通りの作業を行ってくれます。人が処理していた仕事を代替することで、省人化や人的リソースの効率的な活用が期待されます。
2種類のRPA
RPAツールはソフトウェアとしてパソコンにインストールして利用する「デスクトップ型」とウェブ上で操作する「サーバー型」の2つがあり、それぞれメリット・デメリットがありますので、以下でご説明します。
サーバー型:
業務を横断的にこなすことができ、大規模かつ大量のデータの処理に向いている。
デスクトップ型:
手軽に導入できる点が最大のメリットですが、パソコンの稼働状況確認等のメンテナンスが必要で、処理もパソコン自体の処理能力に依存するため、大規模なデータ処理には不向きなことが多い。
RPAでできること
RPAでできることが簡単にいうと「繰り返し作業を含む単純業務」です。手順を決めておくことで、その手順を再現してくれるツールですので、設定可能な作業の難易度であれば自動化できます。以下で具体的な例をご紹介します。
①データ入力・集計作業
データファイルからデータを抜き出し、社内システムや別のファイルに入力することが可能です。集計に関しても、どのデータを抜き出し、どこに集計するかという条件や手順が同じであれば、RPAツールでの自動化が可能です。また、RPAツールの中には、文字や画像の認識ができるものもあるため、紙ベースの文書を社内システムに入力することもできるようになります。
②データ収集
インターネット上の公開情報を自動的に収集する機能があります。ユーザー端末にインストールされているブラウザを自動操作することも可能ですが、RPAツールの内部にもウェブブラウザを搭載しているため、そこからのデータ収集を行うことができます。効率的に最新の動向を追いたいとお考えでしたら、自動化に踏み切るのも一つの手かもしれません。
③数値等の確認作業
数値の整合性が取れているかどうかも、RPAツールを用いて活用できます。社内では、経理業務や受注作業などで利用されるのが一般的です。単純な作業ではあるものの量が多く、ミスが起きやすい分野ですので、自動化により、担当者の負担を減らし、ヒューマンエラーをなくすことが期待されます。
④一定の時間にメール通知やファイルを送る
メールの送受信も自動で行うことができます。中でも、一定期間や一定時間に、もしくは何らかの条件を満たすときに、通知やファイル送信を自動で送ることができるという機能があります。例えば、「年末調整の未提出者リストをもとに、リマインドメールを自動送信する」ことや「毎週月曜日に、タスクを管理するファイルの最新版を、チームメンバー全員に送信すること」などができます。
⑤複数のシステムを横断する作業
複数の管理システムやアプリを使われている企業も多いのではないでしょうか。RPAでは、システムやアプリ間を横断して作業が必要なものも自動化することができます。自社専用のシステムを開発することなく、自動化できるのがRPAの良い点です。
RPA導入のメリット
①業務の効率化が図れる
設定した業務に従って早く正確に作業を行えるため、手作業で行うのに比べ、効率的に業務を進めることができます。また、単純業務を自動化することで、本当にやるべきコア業務に力を入れられるため、生産性だけでなく業務の質も向上させることができます。
②省人化・コスト削減
RPAツールの導入は、コスト削減にも効果があります。単純作業を代替してもらうことで、そこに割いていた人員の人件費を削減することができます。また、費用対効果も測りやすいため、導入検討時の参考材料にすることが可能です。
③ヒューマンエラーを無くせる
社内の単純作業には、経理などミスが許されない業務が多く、時間がかかるだけでなく担当者の心理的な負担も大きくなっています。また、確認作業も必要となりますが、人の手で行なっている以上、ミスが100%ないとは言い切れません。自動化により、それらを解決できることは大きなメリットといえるでしょう。
RPAツールの3つのクラス
RPAツールは、多くのベンダーで提供されていますが、ツールによって効果や適用業務範囲が異なります。そのレベルの違いを知り、自社に必要な強さのRPAツールを選定しましょう。
《RPAのクラス》
難易度 |
クラス |
主な業務範囲 |
具体的な作業と技術範囲 |
低 |
1
RPA
|
定型業務の自動化 |
データ入力、情報取得など定型の作業 |
中 |
2
EPA
|
非定型業務が含まれる業務の自動化 |
RPA+AIで非定型業務を自動化
自然言語処理、画像解析、音声解析など
|
高 |
3
CA
|
高度な自動化 |
プロセスの分析や改善、意思決定までも自動化
ディープラーニング、自然言語処理
|
「RPAでできること」で挙げた業務は、クラス1のレベルで対応できる業務範囲です。現在用いられているRPAのほとんどはレベル1で実現できますが、レベル3のRPAの開発も既に進んでおり、対話のみで全プロセスを完了できるようになっています。
EPAとは?
「Enhanced Process Automation」の略で、ルールづけや情報の構造化がされていないデータや知識を処理することができるものです。
CAとは?
「Cognitive Automation」の略で、AIを用いて自然言語学習・ビッグデータ分析・機械学習・個別最適処理といった、データや情報の難しい処理を行えるツールを指します。
▼参照元の総務省のHPはこちら
RPAツールを導入するには?
選定するときに注意すべきポイント5つ
業務自動化ツールが多様化する中で、選定する際には判断軸を持つことが必要です。比較情報も重要ですが、それ以上に自社で成し遂げたいことを明確にし、それをもとに判断軸を作成しておくとよいでしょう。ここでは、RPAツールを選定する際の代表的なポイントを挙げます。
①普段利用するアプリケーションとの連携は可能か。
社内で使っているアプリケーションと連携できなければ導入の意味がないので、まずはどんなアプリケーションとの接続が可能かを調べましょう。
②管理が簡単であるか。
自動化したロボットの一元管理ができるかは、管理の手間に大きく関わります。事前に、自動化したい業務に導入したツールの管理まで考えておくと、導入後もスムーズに運用できます。
③開発の有無
ツール上での設定のみで利用できるものもあれば、自社での開発が必要なものもあります。開発が必要なものはより求めているものと近いツールを再現できるといった利点もあるので、自社で開発できる環境があるかどうかで判断しましょう。
④すべての工程で自動化可能か。人の手が加わるか。
全て自動化できるかどうかは、人の意思決定が必要なフローを挟む業務であるかが大きく影響します。自動化しようとしている業務を、意思決定が必要なものとそうでないものを分けておくと効率的です。
⑤分析ツールの有無
可視化ツールの含まれるRPAでは、現行のルーティンワークがどのように行われているかが明確になるため、どの業務フローが効率的か、どこにツールを導入すれば生産性が高いかなどが分析できます。業務を日々改善していくためには、運用する上で改善点がわかりやすいものを選ぶ必要がありますが、簡易ツールで解決されるような業務の場合には過剰なサービスともいえますので、自社の状況に合わせて選定しましょう。
実際の導入の流れ
step1 担当部署・担当者を決める
導入の前に、導入を担当する部署や人を決めておく必要があります。DX担当者や情報システム部が担当する場合もありますが、RPAで自動化しようと考えている業務に精通している人をメンバーに加えることで、より効果的に進めることができます。RPAツールに故障等のトラブルがあった時にを考慮して、情報システム部等が対応するケースも考えられるでしょう。
step2 RPAツールを選定する
上記で紹介してきたようにRPAツールには、サーバ型かデスクトップ型か、他ツール連携の有無など様々なものがあり、自社にあったツールを判断することが必要です。
step3 業務プロセスをマニュアル化する
RPAの導入後、RPAに代替した業務の処理内容が分からなくなってしまうことを防ぐために、業務プロセスをマニュアル化しておきましょう。また、属人化した業務をそのまま自動化してしまうと、他の人が業務内容の変更を行いにくくなります。誰もが変更できるようにするために、マニュアル化は必要な作業といえます。
step4 1部署や1業務からスモールスタートする
初期導入段階では、1部署や1業務という単位で、小規模にスタートする方が良いといわれています。小規模で実施し、効果があれば徐々に広げていきましょう。
step5 導入の効果を測定・運用する
実際に導入後、「どの程度負担が減ったか」「費用対効果は高いか」といった視点で効果を測定する必要があります。それは、RPAツールが運用しながら調節を繰り返すことで、最大限に業務効率を発揮できるツールだからです。運用できる範囲ではじめ、業務範囲を拡大していくのが、自動化成功の道といえます。
業務自動化をスモールスタートするならAIチャットボットのPEP
「問い合わせ対応」という部分での自動化を検討されているようでしたら、チャットボットがおすすめです。チャットボットはさまざまな使い方ができ、工数を取られがちな社内の問い合わせ対応も代行可能です。PEPは、そのチャットボットを誰でも簡単に作成できる機能や、答えられなかった問い合わせを一覧にしメンテナンスできる機能があります。
PEPの特徴① 様々なチャットツールとの連携が可能
PEPでは単にツールを導入するだけでなく、業務効率化、業務上の課題解決に向け、立ち上げ~運用を丁寧にサポートします。
たとえば、立ち上げ時は必ずキックオフミーティングを実施し、課題感のすり合わせを行います。またお持ちのQ&Aをいただければ最適なシナリオ構成などをご提案し、初期作成支援も実施いたします。
PEPの特徴② 導入後のサポートが充実
LINE WORKSやSlack、Teamsなどの社内コミュニケーションツールとの連携ができます。各種ツールと連携することで、さらなる業務効率化を実現できます。デメリットになりがちな利用率も、普段お使いのツールと連携することで向上させることが可能です。