
物流自動化の前に読むべき!メリットから導入課題までを完全解説
物流の自動化とは?
私たちの生活に欠かせない物流業界は、新型コロナウイルスの影響によるEC市場の拡大に伴ってより必要性の高さが認識されている業界です。そんな物流業界においても、自動化を行うことで得られるメリットは大きなものがあります。本記事では、物流自動化のメリットや方法に触れながら、物流の自動化導入について検討するための知識をまとめています。
物流の自動化に必要な基礎知識
1. AGV(Automatic Guided Vehicle)
AGVは、無人搬送車や無人搬送機を指します。床面にあらかじめ貼った磁気で移動する仕組みです。そのため、入力されたルートでしか動くことができないというデメリットもあります。
2. AMR(Autonomous Mobile Robot)
自走走行ロボットのことを指します。人や障害物を認識し、自動で回避自動で回避してくれます。
3. GTP(Goods To Person)
床面移動式ロボットを指します、ピッキングリストを読み取ることで、作業者の元へと棚ごと移動させてくれます。人の体力的負担を減らせるシステムですが、倉庫のレイアウト変更が必要となるなど大規模な見直しが必要となります。
4. WMS(Warehouse Management System)
倉庫管理システムのことを指します。倉庫内の物流プロセスを効率化し、リアルタイムでの数量把握ができるようになりますが、全体に普及しないと業務フローが統一化できないというデメリットもあります。
自動化の現状とこれから
物流業界では今、EC市場が直近10年で約2.5倍に拡大し、宅配件数が増加したことで効率性をさらに上げていくことが求められています。また、市場構造的にコスト抑制圧力が高く、厳しい労働環境が改善されないという課題も見られます。雇用獲得の苦戦や人員不足を解決するためにも、自動化や効率化は考えていくべき領域です。
現在でも、自動倉庫や自動仕分け機、デジタルピッキングシステムなど作業者支援システムや情報管理システム等で、多様な自動化技術が用いられています。上記のような課題を認識し、省人化や自動化の取り組みを行う企業は増えており、特に大型物流倉庫ではロボットの導入が、自動化に向けて大きな役割を担ってくれると考えられています。
今後、物流倉庫が完全自動化される未来やドローンが荷物を運ぶ未来も期待されますが、直近では「人的リソースを効率的に使う」もしくは「生産効率をあげる」という見方で自動化を進めるのが良いかもしれません。省人化を進めることで、コスト削減というわかりやすい成果を得ることができます。
物流を自動化するメリット
1. 人的側面
自動化を進めれば、人が対応する作業を減らせるため、人件費の削減や人員不足を解消できます。システム導入のコストと比較しても、人件費や教育コストよりはコストが抑えられる傾向があるのです。一つ例を挙げると、株式会社ファーストリテイリングは、2018年にES専用倉庫で90%の省人化に成功しています。このような動きが広がれば、倉庫で働く人は数人でよくなり、人にかかる労働負担も軽くすることができます。
2. 生産効率的側面
システムやロボットは、人と違い昼夜問わず動き続けることができます。そのため、24時間365日稼働し、生産性が大幅に飛躍させます。人の手での作業は、人の能力や判断に依存しますが、自動化を進めることで一定の生産効率を保つことができるのです。また、安全性の低い作業でも同スピードで対応することが可能です。一定の生産効率が保てれば、作業時間を見積もりやすく管理のしやすさにも繋がります。
3. 製品の質的側面
生産効率的側面でも触れましたが、人の手での作業は、人の能力や判断に依存するため、ヒューマンエラーや品質のばらつきが生まれてしまいます。自動化によって、それらを防げるほか、発見しやすくなるという利点もあります。
【種類別】物流自動化の方法
ここからは、物流自動化にどのようなものがあるか、種類別・作業順にご紹介します。
倉庫内の移動や商品探し
ピッキングで用いられるテクノロジーで、ピッキング作業者のもとに、出荷商品が保管棚ごと運ばれてくる仕組みがあります。倉庫内で場所を移動させたり、該当商品を探す人的作業を、機械やロボットが代替してくれます。ピッキング作業の部分は、人が行うことが多いです。
例えば・・・
・立体自動倉庫システム
機械制御でピッキング商品を棚ごと取り出す仕組み。
・自動搬送ロボット
棚ごとピッキング作業員の元へ運んできてくれるもの。自動搬送ロボットには種類も多く、あらかじめ決められたルートを走るものもあれば、自主的にルートを決め走行するものもあります。
ピッキング
そもそものピッキング指示を出してくれるシステムがあります。従来、ピッキングリストを印刷し、その紙に基づいて作業をする形が一般的でしたが、タブレットを使うことにより、無線通信で指示情報が送れるようになりました。リアルタイム反映のため、入れ違いなどがなく、管理しやすくなります。
検品
人がピッキングしたものの数量や種類が正しいかチェックする過程を自動化する技術もあります。
例えば・・・
・自動搬送ロボット
ピッキング指示を送信すると、指定したものをピンポイントで持ってきてくれるロボットとしても利用されています。類似品や人的ミスが起こらず、検品の必要がないため、この過程を省略することができます。
・ハンディ検品システム
ハンディ端末とバーコードを用い、ピッキング商品が指示通りかを自動チェックするものです。
・デジタルピッキングシステム
デジタルピッキングシステムは、略してDPSと呼ばれます。事前準備として全ての保管棚やコンテナにデジタル表示器を取り付け、ピッキングの際にデジタル表示器を連動したハンディ端末で読み取ることで、数量を数えることができる仕組みとなっています。ピッキングと同時並行で機械的サポートを行い、検品を行わずにエラーを防ぐ仕組みです。
納品
納品の際に必要な伝票の発行や検収を自動化するシステムがあります。梱包表示ラベル(SCMラベル)、事前出荷通知データ(ASNデータ)と呼ばれるもので、伝票情報のやり取りをオンラインで完結させる手法です。納品の自動化を進めたい方は、「伝票レス」「検品レス」という言葉で調べるとより欲しい情報が手に入るかもしれません。
物流自動化導入の課題
物流の自動化により、生産性の向上や人的資源の活用が行えるという利点がある一方、自動化を進める上で課題となる点もあります。以下を課題として認識し、自社にあった自動化を進めていきましょう。
①システム導入に費用や時間がかかる
ロボットや機械の導入は、ソフトウエアの導入と比べても初期費用が高く、大きな導入ハードルがあります。そのため、社内での意識のすり合わせや製品の選定に時間がかかり、うまく自動化に踏み出せないこともあります。メンテナンス費用など、導入後のランニングコストも考えた上で、自社の規模に見合った製品を選び、費用対効果の高いシステムを導入するのがポイントです。
②システム導入後の教育が必要
システムをより効率的に使ってもらうためには、事前の教育・研修が欠かせません。使い方や業務フローなどを教えるための研修や、マニュアルの策定も必要となるため、事前にそれらを含めた工数を見積もっておく必要があります。
そこに人的リソースを割くのが難しい場合は、補助ツールを一緒に導入するのも一つの手です。チャットボットなど、社員一人ひとりがマニュアルやルールをすぐに確認できるツールの導入も検討すると良いかもしれません。
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