
チャットボット(Chatbot)のメリット・デメリット│導入前に知って得する重要ポイントを解説
目次[非表示]
チャットボットにはもちろんメリットも多いですが、すべてのケースに当てはまる訳ではありません。デメリットも含めて把握した上で導入することをお勧めします。
ここでは、一般的なチャットボットのメリットとデメリットをご紹介します。
チャットボットのメリット
問い合わせ応対コストの削減
社内向けチャットボットは、「社員からの問い合わせ応対」として多く導入されています。社内に膨大な量のマニュアルやノウハウがある場合、社員がその内容を把握しきれず、バックオフィス部門が問い合わせの対応に追われてしまうケースも少なくありません。
チャットボットにあらかじめマニュアルやノウハウのデータを組み込んでおけば、こうした対応を任せることができます。対応に割いていた人員と労働力を確保でき、生産性の向上を期待できるのです。
上記図のように、これまでバラバラに来ていた問い合わせを、一本化できる点も削減につながる理のひとつです。
また、社内の会議室予約システムなどとデータを連携させておけば、「会議室の予約」や「会議のリマインド」などに役立てられます。
そのほかにも、「勤怠管理」としてチャットボットを活用するケースもあります。
例えば、社員が直行直帰する場合、会社での打刻はできませんが、外出先での行動データをもとにして、打刻が可能になるのです。顧客管理サービスと連携させて、チャットボットが営業事務の業務の一部を受け持つこともできます。
業務の効率化・生産性向上
チャットボットを導入することで、顧客や社員の「業務の効率化・生産性向上」を図ることができます。人手不足の企業では、限られた人材をいかに有効活用できるかが重要です。チャットボットに「人間が対応する必要のない業務」を任せることで、人はより付加価値の高い業務に集中できるのです。
また、チャットボットの導入やメンテナンスをきっかけに、業務マニュアルを見直すことが多く、結果的に業務フロー自体の効率化につながることもあるかもしれません。
自動化される業務が増えれば増えるほど、働き方改革でも取り沙汰される「残業時間削減」にもつなげられるでしょう。
気軽に問い合わせできる
チャットボットを導入することで、顧客や社員は「気軽に問い合わせ」ができます。わからないことがあっても、勇気が出なかったり、声をかけづらかったりして、なかなか上司に質問できないという人も多くみられます。社員にとって、チャットボットへの質問は、上司への質問よりも気兼ねなく行えるというメリットもあるのです。
顧客や従業員の満足度向上
チャットボットは「顧客や従業員の満足度向上」にも役立ちます。営業時間外や他の業務から手が離せない場合など、すぐに顧客からの問い合わせに回答できずにお客様の満足度を下げることは少なくありません。チャットボットは24時間問い合わせを自動応対するためお客様を待たせることがないのです。
また、従業員は「社内システムの利用法」「申請書・社印の場所」「交通費精算方法」など、日常業務の中でさまざまな疑問を抱え、社内情報を探しています。
そのような疑問も、チャットボットに問いかければ即座に解決できます。結果として、業務に集中しやすくなり、従業員の満足度の向上につなげられるでしょう。
チャットボットのデメリット
利用する製品を選ぶのが大変
チャットボットにも、AIを搭載しているものしていないもの、機械学習型のものやシナリオ型(ルールベース型)のもの、有人対応の切り替えができるものできないもの、他のツールと連携できるものできないもの、さまざまな種類があります。
また、機能の多さによって料金体系も変わってきます。
チャットボットを導入する前は、どの機能が自社に必要なのかを想像するのが難しいため、チャットボットの選定に迷うことは少なくありません。
自社にとって必要なタイプやそれぞれが保有する機能、料金などを比較して選ぶ必要があります。
自社に合わせて設計・設定するのが難しい
チャットボットを導入すると、作業の効率化が期待できますが、導入や効果を測定する際に多少の手間がかかってしまいます。
いつまでにチャットボットの利用を始めたいかという時間も検討する必要があります。自然言語処理を行うAI型の場合は、運用までにデータの蓄積をさせるなど、初動前の手間がかかるのです。そのため、運用を開始したい時期までに、それらの設定が間に合うのか計算しましょう。ほかにも、導入や運用に関してどれだけの人員を割けるかという人的資源も問題です。導入前には、人の手による作業が必要になります。これらの確認をしないまま導入すると、自動化のメリットを享受できないコストだけかかってしまうので注意することが大切です。
精度を高めるためには期間が必要
チャットボットには複数のタイプがありますが、AIにより自動で学習させるタイプの場合は、膨大なデータを学習させておく必要があるため、十分なデータ量を蓄積できない用途には向いていません。その場合は、自動学習型ではなく、半自動学習型やマニュアル学習型のタイプを選択する方がよいでしょう。学習タイプは以下で詳細を紹介しています。
また、回答の精度を上げるためには、定期的にノイズを取り除くなど人間の手によるメンテナンスと一定の学習期間が必要となります。
シナリオ型(ルールベース型)は、会社独自のデータベースを用意するため、機械学習型よりも時間をかけずにメンテナンスすることができます。ただ、AI型と同じく定期的に人間の手でメンテナンスが必要があります。シナリオ型(ルールベース型)VS機械学習型は以下で詳細を紹介しています。
回答の調整や設定見直しなどの運用工数がかかる
チャットボットは「定期的にメンテナンス」する必要があります。チャットボットの会話履歴を見て、顧客や従業員が話しかける言い回しと、登録していた回答を結びつけたり、新しく回答を用意する作業です。メンテナンスを怠ると、回答の精度が低くなってしまう可能性があります。
こうした一定の管理工数がかかることは予め念頭に置いておいたほうがよいでしょう。
すべてを自動化できるわけではない
前述の通りチャットボットは導入後、手動で対応を覚えこませたり、定期的にメンテナンスをしていく必要があります。
また、問い合わせの中にはボットではなく人間が答えたほうが良いものがあります。個別具体的な内容や複雑な内容はボットで応対できないケースも有り得ます。
チャットボットを導入するとユーザーからは「すべてAIで問題解決してくれるの?」という誤った認識で使われてしまい、回答ができない場合に「使い物にならない」と判断されてしまうことがあります。
利用するユーザーとの期待値を揃え、チャットボットで対応ができるものと、そうでないものを切り分けることが大切です。
チャットボット導入の留意点
利用シーンによって何を選ぶか変わる
チャットボットにはさまざまな利用シーンがあります。
例えば
・現場社員から管理部へのよくあるお問い合わせの対応としての利用
・既存のお客様からの問い合わせに対応するカスタマーサポートとしての利用
・新規のお客様からの問い合わせを促すマーケティングオートメーションとしての利用
それぞれの利用シーンで、どのような機能を備えたチャットボットを選ぶかが異なります。
メリットは多いが導入や運用には一定の手間がかかる
業務の効率を上げられるチャットボットですが、導入や効果を測定する際に多少の手間がかかってしまいます。そのため導入の前に、どれだけのリソースを割けるかの確認をしてから手配を進めるようにしましょう。確認すべきリソースとしては、まず導入や運用にかけられる予算が挙げられます。機械学習型かシナリオ型(ルールベース型)か、学習タイプは自動学習型かマニュアル学習型か、どちらを導入するのかによって初期費用が異なるでしょう。また、運用をしていくにあたってもかかるコストがあり、その分の費用を考えなくてはいけません。
しっかり運用し利用率が上がると効果が実感できる
導入するだけでは、効果は実感できません。チャットボットに最初の学習をさせた後も、従業員や顧客の話しかけ文を見て、既にある回答と結び付けたり、新しく回答を用意したりと、メンテナンスを継続する必要があります。
また、ただの問い合わせ応対だけでなく遊び心を含めた会話や、親しみやすいアイコンにすることも利用率の向上に繋がります。
チャットボットは回答精度だけでなく、利用率があがってはじめて効果が実感できると言えるでしょう。
チャットボットのメリットを実感できるだけではなく、より豊富な機能を搭載しているAIアシスタント「PEP」
チャットボットはさまざまな使い方ができ、工数を取られがちな社内の問い合わせ対応も代行可能です。PEPは、そのチャットボットを誰でも簡単に作成できる機能や、答えられなかった問い合わせを一覧にしメンテナンスできる機能があります。
チャットボットは、導入してもなかなか運用まで行きつかないということもありえます。
自社にとってはどのようなタイプのチャットボットが適切で、運用体制はどのような形がよいかなど、気になることがあればお気軽にお問い合わせください。